癒しの写真畑☆

物語「ちょる君と一緒」

今回は、あったかくてちょっぴり切ない・・・
そんな物語を書きました☆





ちょる君と一緒


ため息が白く凍りつく帰り道
アスファルトをただただ、眺め、歩いていると
目の前を白いものが ふわり と落ちた

見上げると
街頭の光を浴びて、微かに見える白い雪

「どうりで寒いと思ったら・・・」

そう、呟くと
大きく白い息を吐いた



次の日の朝
目を覚ますと、窓の向こうに見えるのは
見慣れたはずの景色さえ
別世界にしてしまう程の雪化粧

寒がりなはずなのに、思わず飛び起きて、窓に近づいた


その時、ベランダの隅の方に、何やら小さくて白いものが・・・ぽつり

窓を開けた私に「白い何か」は、こう言った


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「はじめまして。ボク・・・雪だるまのちょると言います。」


目を丸くした私に、彼は続けて

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「ボク達は、寒い寒い冬の日・・・・

心まで冷え切ってしまった、寂しがり屋さんの所に現れるんだよ。」

「神様がね、その時だけ、ボクたちに"命"を授けてくれるんだ。」


彼はそう言って、微笑んだ



「べ、・・別に寂しくなんて・・・・」

そう呟いた私に、彼はにっこり笑って

「キミの心が温まるまで、ボクはいつでもここにいるからね」


そう言って優しく見つめる彼の瞳に、
全てを見透かされたような気がして・・・

恥ずかしくなった私は

窓を"ぴしゃんっ"

と、閉めた・・・




それから・・・・


何日も、何日も・・・・

ベランダを覗いてみれば、必ず彼がいた

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雪の降る日だけじゃなく
雨の日も、風の日も、晴れの日さえ・・・

私の顔を見るたびに、何も言わずに微笑んでくれた


・・・いつしか、彼にたくさんの事を話すようになっていた


「今日仕事で失敗しちゃって・・・」
「ねぇ!聞いて!!!彼氏が出来たの!」
「あ〜・・・明日どこへ行こうかなぁ〜」


彼は私の話を、まるで自分の事の様に聞いてくれた


そんな彼に、何かしてあげたくて


「ちょるくんは、何をしてもらったら嬉しい?」

そう聞いた私に、彼は微笑んで・・・

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「ボクの喜びはね、キミが笑顔でいる事だよ。」



そんな彼の言葉に、嬉しくて嬉しくて・・・・・

涙を堪えながら、めいっぱい笑った


それからは、少しずつだけど・・・・
変わっていく私がいた


「今日仕事で失敗しちゃって・・・・
でもね、もう、次は同じ間違いはしないよ!」



「彼氏とケンカしちゃった・・・・も〜あんなヤツ!!!!!!

・・・・でも、ちょっと言いすぎちゃったから、明日謝ってくるね!」




「明日の予定キャンセルになっちゃった・・・
けど、一人で気楽にショッピングするのもいいよね♪」


たわいない話をする私を見て、
幸せそうにしている彼の笑顔が・・・嬉しかった



そんなある日

いつものように、ベランダに近寄って窓の外を見てみると

溶けて小さくなったちょるくんが・・・

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あわてて窓を開け、

「ちょるくん!どうしたの?!!!」

「・・・最近のキミは、毎日が楽しそうだね。」

「そうだよ!全部ちょるくんのおかげだよ?!!」

「それはよかった・・・」

「なんでどんどん小さくなっているの?!!!」


「ボクは・・・キミの心を温めるために存在するんだ・・・
キミの心が温まったとき、ボクは消えてなくなっちゃうんだ・・・」

「なんで?!!そんな事なら、あたしの心は冷たいままでいいよ!
ちょるくんがいなくなったら、あたし・・・・」

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「ありがとう。その気持ちだけで十分だよ。
例えボクの姿は消えてしまっても、
キミがボクと過ごした日々を、暖かい心にしまっていてくれるなら、
ボクはキミの心の中で、ずーっとずーっと生き続けるから・・・・。

だから、ボクからのお願いだよ。

最後に、キミの笑顔を見せて・・・。」


ぼろぼろと流れ落ちる涙が邪魔をして、彼を見る事すら出来なかった。

でも・・・自分に出来る、唯一の「彼の為に出来る事」

涙なんか見えないくらい、精一杯の笑顔を彼に送った・・・・



「ありがとう・・・」

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そう言ったはずの声が、雫となってこぼれ落ちた。






その瞬間、自然と涙は止まって、空を見上げることが出来た


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心の中で

「ありがとう」

そう、つぶやいた・・・









窓の外には、何かに呼び起されたかのように咲く梅の花

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安心してね

あたしの心はずっとずっと・・・あったかいよ







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2008/03/16(日) 18:32:20 癒しの写真と物語 トラックバック:0 コメント:6